【レポート】Startup Tech Talks: 仮想マシン、コンテナ、関数、Kubernetes on AWS の活用方法と展望 #AWSSummit

【レポート】Startup Tech Talks: 仮想マシン、コンテナ、関数、Kubernetes on AWS の活用方法と展望 #AWSSummit

AWS Summit Tokyo 2018『Startup Tech Talks: 仮想マシン、コンテナ、関数、kubernetes on AWS の活用方法と展望』のセッションレポートです。セッション概要:スタートアップでの仮想マシン、コンテナ、関数、 Kubernetes on AWS の活用方法や動向についてのご紹介。
Clock Icon2018.06.01

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AWS Summit Tokyo 2018。Day3 で開催された『Startup Tech Talks: 仮想マシン、コンテナ、関数、kubernetes on AWS の活用方法と展望』についてレポートします。

スピーカー

  • 九岡 佑介
    • freee株式会社 プロダクト基盤本部 SRE, OSS Developer

セッション概要

AWS は以前から非常にスケーラブルで高性能なコンテナ管理サービス Amazon ECS を提供してきました。それに加え、2017年にラスベガスで開催した AWS re:Invent 2017 では、「地球規模にスケールする」とも謳われるコンテナオーケストレーションシステム『Kubernetes』のマネージドサービスである Amazon EKS が発表されました。また、世の中の Kubernetes クラスタの多くが AWS 上で稼働していることも事実です。このセッションでは、このような現状を踏まえて改めてスタートアップでの仮想マシン、コンテナ、関数、 Kubernetes on AWS の活用方法や動向についてお話しします。

コンテナを取り巻く環境

Right Abstraction. Right Tool

  • 抽象レベルの違いを意識して、コンテナと関数の使い分け
  • kubernetes は銀の弾丸ではない

Kubernetes の概要

  • Google Borg というシステムが起源になっている
  • コンテナオーケストレーションシステム
  • 2014年に公開。プロジェクトとしては、まだ5年目
  • 実はよく知られてないこと
    • なぜ Kubernetes を使うべきでないか

スタートアップにおける課題のトレンド

  • 生産性があがらない
  • エンジニアが足りない

スタートアップにおけるサービス開発のトレンド

スタートアップにおける課題のトレンドが背景としてあり、以下のようなトレンドが生まれていると考える。

  • マイクロサービスアーキテクチャ
    • 生産性があがらない課題の解決策
  • リモートワーク
    • エンジニアが足りない課題の解決策
    • コミュニケーションツールが充実してきた(chatwork/slack など)
    • 必ずしも東京にいる必要はない

どの抽象レイヤー以降でこの課題を解決するか

  • 物理マシン
  • 仮想マシン
  • コンテナ
  • 関数

違いからみる、VM、コンテナ、関数

  • 仮想マシンは、ひとつの物理マシン上で動いてる
    • ついうっかり、1マシンで複数サービスをのせてしまい、切り出したくなり、コンテナに手をだす
  • コンテナは、ひとつのコンテナイメージ
    • ついうっかり、複数サービスをコンテナにのっけてしまい、この機能だけ切り出しくたくなり、関数に手をだす
  • 関数は、ひとつの機能
    • ついうっかり、複数機能をひとつの関数で・・・とはならない。関数はひとつの機能だから。

FaaS(Function as a Service) の新しさ

  • 関数をデプロイの単位としたこと
  • これまで悩んでいたことは、全部解決するんじゃないか。FaaS 最強!?
    • 実際、FaaS で済むなら、FaaS がベストな選択

では、なぜ、関数じゃなくて、いまさらコンテナなのか?

運用ツールの違いからみる、VM、コンテナ、関数

  • 仮想マシン
    • マシンイメージから作成
    • Ansible、Chef、Puppet ・・・など
  • コンテナ
    • コンテナイメージから作成
    • Docker、ECS、Kubernets とか
  • 関数
    • スクリプトやバイナリから作成
    • Lambda?、Serverless?、OpenWhisk?

ツールの違いは運用の違い

関数のマネジメントってどうしたらいいのか? ”私はまだ即答できないからコンテナを使っている。”

まとめ:なぜ、関数じゃなくて、いまさらコンテナなのか?

  • ツールがそろってなくて、運用が大変だから
  • ただし小さなサービスで運用が簡単なら、FaaS を使うべき!

オーケストレーションがなぜいるのか

コンテナをデプロイするのにSSHではすまない

  • コンテナが落ちたときに、他のノードの自動移行
  • コンテナをロードバランサーにつなぐ
  • サーバの余剰リソース内でコンテナ数を増やす
  • オートスケーリング

なぜ Kubernetes を使うべきじゃないか

ECS の機能

  • コンテナデプロイ
  • IAM ロール対応
  • ヘルスチェック
  • サービスディスカバリ

Kubernetes の機能

  • コンテナのデプロイ
  • サービスディスカバリ
  • ヘルスチェック

運用者目線での ECS メリット

  • AWS 公式の専用の AMI
  • マネージドサービス
  • segment社の事例と OSS
  • 日本での採用事例の多さ
  • スコープが限られている(機能が限られている。ただし、今年かなり機能は強化された)

運用者目線での kubernetes のデメリット

  • 公式 AMI がない
  • マネージドサービスがない
  • Kubernetes on AWSの事例少ない
  • 日本での採用事例の少なさ
  • スコープが広い

コンテナを使いたいだけだったのに、コンテナ外でこんなにがんばらないといけないのか・・ってなる。

  • 情報が少ないとデバッグが大変
  • 人を探すのも大変

Kubernetes のまとめ

  • ECS より運用が難しい
  • Lambda ほどうれしくない
    • サーバー管理から完全に解放はされない

Kubernetes と EKS の使い所

ツールの違いは運用と適用領域の違い

  • SAM + AWS
  • コンテナ + ECS
  • K8s Apps + kubernetes

Kubernetes の機能をよくみると、便利な機能もたくさんある

  • コンテナのデプロイ
  • サービスディスカバリ
  • ロードバランス
  • 便利な CLI アプリケーション
  • 便利な API
  • 便利なライブラリ
  • 豊富な周辺ツール
  • 拡張性

Kubernetes の拡張性をあらわす例

  • metacontroller
  • squash
    • マイクロサービスのデバッガ
  • Argo
    • Kubernetes用のワークフローエンジン
  • gloo

Kubernetes の使い所

  • コンテナの運用をたすけてくれる
  • Lambda や ECS より汎用的
    • コンテナオーケストレーションというより、分散システムフレームワーク
    • Kubernetes か、FaaS どちらかを選べってことではない
  • 学習コストは高い

コンテナを「プロセス」とみたてると、Kubernetes は 「Linux」 というイメージ。

freee での利用例

  • 新規サービスを Kubernetes 化
  • 既存サービスは Docker から始めてる
  • オンボーディング勉強会
  • できるだけ作り込まない
    • Kubernetes を構築して、運用するだけで結構なコストがかかる
    • そのうえに、さらに作り込むべきではない
  • Private PaaS のためのフレームワーク

EKS の特徴

  • Kubernetes のコントロールプレーンをマネージしてくれる
  • AWS IAM や VPC との統合
    • Kubernetes の仮想ネットワークと VPC との接続を考えたりしなくていい

EKSの使い所

  • Kubernetes on AWS は、すべて EKS を使うべき

コンテナの未来

  • コンテナと Kubernetes という規格が定まる
  • Kubernetes クラスタ自体の運用が簡単に
  • Kubernetes 上のアプリ運用が簡単に
  • Kubernetes 上で動いていることを意識せずにサーバーレスがりようできる

"「Linuxだからできない」ってこと、あまりないですよね?"

ECS はいらないこなのか?

  • いいえ
  • ECS + Fargate はサーバーレス Kubernetes on AWS のバックエンドになる
  • 長期的にみると Kubernetes と ECS 両方わかると安心して運用できる。

まとめ

Right Abstraction. Right Tool

  • 抽象レベルの違いを意識できるように
  • 今後、正しいツールをえらべるように
  • 将来的に FaaS の裏側は、Kubernetes になっていく

さいごに

コンテナ、Kubernetes、FaaS について、良いところばかりでなく使い所と、そうでない所、わかりやすいセッションでした!冒頭、「なぜ、Kubernetes を使うべきでないか」と言われたときは「え?どゆこと?」ってなりましたが、順を追って説明いただき納得の見解でした!

以上!大阪オフィスの丸毛(@marumo1981)でした!

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